WISCの結果を持っている 方法⑱

VCIとWMIが高く、
 PRIとPSIが低い
 

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【前回までのおさらい】

方法①~⑪までは、WISC-Ⅳ検査の概論、FSIQや各指標がどのような“知能”を推定しているのか、さらには、指標同士の関係性を解説してきました。ここからは、事例(架空)をもとに、WISC-Ⅳ検査結果から推測される“知能”の特徴が、日常の困り事といかに繋がっているのか検討し、具体的な対策・心がけ等を提示していきます。

<参考>
方法① 全検査IQ(FSIQ)が弱点
方法② 言語理解指標(VCI)が弱点
方法③ 知覚推理指標(PRI)が弱点
方法④ ワーキングメモリー指標(WMI)が弱点
方法⑤ 処理速度指標(PSI)が弱点
方法⑥ VCI>PRIまたはVCI<PRIの差が大きい
方法⑦ VCI>WMI またはVCI<WMI の差が大きい
方法⑧ VCI>PSIまたはVCI<PSIの差が大きい
方法⑨ PRI>WMIまたはPRI<WMIの差が大きい
方法⑩ PRI>PSIまたはPRI<PSIの差が大きい
方法⑪ WMI>PSIまたはWMI<PSIの差が大きい

 

〇 こんな傾向はありませんか?
(こういうところが見られたらあてはまるかもしれません)

【事例Uさんの場合】

高校生のUさんは、“言葉”に少々敏感なところがあるようです。家族や友人からは、「気にしすぎ」と言われるのですが、どうしても言葉のニュアンス・言葉尻など、細かいことが繰り返し気にかかってしまいます。また、なんとなくいつも“置いてきぼり”を食らったような感覚があり、周りに馴染めていないのではないかとも考え、思い悩んでいるようです。

【WISC-Ⅳ検査結果】


WISC-Ⅳ結果 Uさんのプロフィール

〇「VCIとWMIが高く、PRIとPSIが低い」メカニズムと発達心理、学習理論による対策

【事例解説】

全検査IQ(FSIQ)は「平均」を示しています。4指標も概ね「平均」域にあたりますが、言語理解(VCI)とワーキングメモリー(WMI)は、平均の“上限”である一方、知覚推理(PRI)と処理速度(PSI)は、平均の“下限”といえる水準です。

よって、このプロフィールから、周囲の同級生と比較した場合、全体的に引けを取らない知的能力を有しているが、個人の中での能力差に注目すると、言語理解(VCI)・ワーキングメモリー(WMI)>知覚推理(PRI)・処理速度(PSI)間で、比較的大きな差があるため、いわゆる“生活のしづらさ”を感じやすいと指摘できるでしょう。

 

・言語理解(VCI)>知覚推理(PRI)・処理速度(PSI)の差

言語的な情報処理を得意とする一方、非言語的な情報処理は苦手に感じるでしょう。つまり、論理的に考える力(≒VCI)は十分備わっているが、直感的なひらめき力(≒PRI)や、瞬発的に切り替える力(≒PSI)が弱くあると考えられます。このため、言語的なニュアンス、言葉尻などは、敏感に受け取る一方で、微妙な表情の変化や形容し難い空気感には、いくらか鈍感な上、気にかかったことを繰り返し考え込みやすくあるでしょう。

 

・ワーキングメモリー(WMI)>知覚推理(PRI)・処理速度(PSI)の差

聴覚的な情報処理の過程(≒WMI)は得意とする一方、視覚的な情報処理の過程(≒PRI・PSI)は、不得手に感じるかもしれません。例えば、何かしらの口頭指示を、内的に理解・操作することは出来ても、外的に実行・達成することには躓きやすくあるでしょう。頭の中(心の中)では、どうすればいいのかわかっているのに、いざ実行するとなると、その考えばかりが先行し、素早く行動に移せない場合が少なくないと考えられます。

 

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〇 生徒の対策

  • ①なるべく事前に計画・準備をしておこう!

  • イレギュラーな事態で動揺することをできる限り防ぐため、事前の計画・準備を心掛けましょう。今日のうちに明日の持ち物をチェックしたり、出掛ける時間はあらかじめ決めておいたり。スケジュールが明確になっていることは、安心・安全につながるでしょう。 ただし、予定はあくまでも“予定”、必ず毎回予定通りに事が進むとは限りません。そういうときは、「完璧にできなかった」と思い悩むのではなく、「まあいいか」と自分自身に言い聞かせてあげることも必要です。

  • ②自分なりのペースを確立しよう!

  • 周りのやり方(勉強方法)に合わせようと努力するよりも、まず自分にあったやり方を見つけましょう。友だちがテキストを5ページ進めたからといって、絶対に5ページやり遂げる必要はありませんし、逆に5ページ以上進めたって構いません。周囲と比較するばかりではなく、自分に合ったやり方・ペースを優先してみましょう。


〇 講師のサポート

  • ①事前にスケジュールは共有しましょう

  • できる限りイレギュラーな事態は取り除いてあげましょう。スケジュールが明確であり、それが周囲とも共有できていることで、本人の安心感は増すように思います。少し細かいかなと感じても、言語的な説明・共有は省くことなく、具体的であることがより良いでしょう。 

  • ②生徒本人のペースを第一に

  • 集団と比較し、そのペースに合わせるよう促すよりも、生徒本人のペースを優先させてあげましょう。その際、生徒自身に目標を立ててもらうとより良いでしょう。周囲が決めた目標ではなく、自分自身で決めた目標であることが大事かと思います。


〇 役に立ちそうなリソース

  • 集団の中で切磋琢磨して学習する環境よりも、個別のマンツーマン指導可能な環境のほうに適応があるように思います。自身で論理的に、どんどん考えて、自分のペースでゆっくり処理できます。その生徒に合わせて、対談形式で進めるとよいでしょう!

  •  

  • <動画>【WISC知能検査】知覚推理指標(PRI)が弱点の場合の最新対策法を解説

  •  

  • <動画> 【WISC知能検査】言語理解指標(VCI)と処理速度指標(PSI)の差が大きい場合の最新対策法を解説

  •  

  • <動画>【WISC知能検査】処理速度指標(PSI)が弱点の場合の最新対策法を解説

  •  

  • <動画> 【WISC知能検査】WMI(ワーキングメモリ指標)とPSI(処理速度指標)に
    差がある場合の改善方法

  •  

  • <動画>ウィスクの結果でPRI(知覚推理指標)とWMI(ワーキングメモリ指標)に差がある場合の改善方法【WISC知能検査】

  •  

  • <動画>【WISC知能検査】ウィスクの結果でVCIとPSIに差がある場合の改善方法

  •  

  • <動画>【WISC知能検査】ウィスクの結果でVCIとPRIに差がある場合の改善方法

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  • 薄井晶著 『方法別冊』(不登校・学習障害・発達障害・WISC ver.)ファストブック(2022)

〇学習障害がある方が学べる個別指導の専門塾

WISCの結果を生かして特性を考慮しながら受験指導

SMKの完全個別ゼミ

調布ゼミ
完全個別 調布ゼミ
〒182-0026 東京都調布市小島町1丁目4−6 三田調布シティハウス 107
TEL:042-426-7295
京王線調布駅から徒歩1分。
甲州街道の小島町交差点すぐそば。
塾の前に自転車がとめられます。

 

世田谷ゼミ
完全個別 世田谷ゼミ
〒154-0017 東京都世田谷区世田谷3丁目2−2 メルシー世田谷 103
TEL: 03-6804-4076
東急世田谷線世田谷駅、下高井戸方面下車、歩いてすぐ。
通りを渡って美容院のある角を曲がってください。看板が見えます。
*駐輪場完備
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〇 生徒・ご父兄の声

まちがえたら、ていねいに教えてもらえる そんな塾でした

M.S. さん
合格校: 宮崎日本大学中学校、女子美術大学付属中学校、白梅学園清修中学校

先生の授業は、とても分かりやすくて、
まちがえたら、ていねいに教えてもらえる
そんな塾でした。中学受験が終わった今でも、
先生の教えてくれた事は、役に立っています。ある時、
学校の漢字の宿題プリントで、四字熟語を書くという問題が出ました。
「創意工夫」とかの少し、難しめのやつなのですが、
先生達が色々な言葉を教えてくれたおかげで、
その日の漢字の宿題は、満点でした。
先生が教えてくれたおかげで、学校のテストでは、ほとんどの教科が
満点で、志望校にも合格できました!本当にありがとうございました!!

 


子供に合った塾

M.S. さんご父兄
A.S. 様
合格校: 宮崎日本大学中学校、女子美術大学付属中学校、白梅学園清修中学校

春には5年になる、2月の時期に入会しました。
子供の特性上、集団塾より個別対面の塾が向いていると思い
調布ゼミを見つけ、入会しました。
1対1の授業は先生とのコミュニケーションがとりやすく、
送迎の際には授業のフィードバックもしていただき、家庭学習に活かすことができました。
また、こちらの要望や相談にも対応していただき、安心することができました。
受験期には第一志望校の過去問対策を徹底して指導していただき、
お陰様で、ずっと憧れていた学校に合格することができました。
 今も調布ゼミの前を通るたび、大変だったはずの受験勉強をとても楽しそうに話す様子を
見て、子供に合った塾に通わせることができたと実感しています。
 この2年間、子供に寄り添い、優しく楽しくご指導いただき、感謝の気持ちでいっぱい
です。本当にいろいろとありがとうございました。


英語を毛嫌いしていたのが嘘のようです。

東京都調布市 K.T.君 ご父兄
合格校:国士館高校合格

息子は体調不良で中学校での授業を受けることができませんでした。
それでも高校は通信制ではなく毎日登校する学校へ行きたいという
本人の希望がありました。
何とか本人の希望を叶えられるようにしたいと、調布ゼミの見学に
訪れたのが高校入試の一年前。丁寧に対応してくださった薄井先生
ありがとうございました。
一番心配していたのが英語でしたが奥井先生のご指導のもと、希望の学校から
合格を頂くことができました。こちらの塾に通うまでは英語を毛嫌いしていた息子ですが
それが嘘のように「高校で英語を頑張りたい。」と言っています。私が「高校は塾どうする?」 と聞いたときも迷わず「続ける。」と言っていました。英語を好きになる指導を
していただいたこと、本当に感謝しております。
そしてこれからもどうぞ宜しくお願いいたします。


<監修>
臨床心理士・公認心理師 堤 梨乃
SMK 薄井晶