発達障害がある(といわれている)ASD 方法⑤

教師を怒らせてしまう

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〇 こんな傾向はありませんか?
(こういうところが見られたらあてはまるかもしれません)

  • アドバイスをしても反論し、それでも同じところで解けなくなるので、教師が「なんで言うことを聞かないんだ」と怒ってしまう。

  • うまくいかないことに対し、自説を展開するので、教師が怒ってしまう。

  • その場にそぐわない自説を述べたり、失礼な発言をしたりして、相手を傷つける。自分が人を傷つけていることに気づかないし、指摘されても理由がわからない。さらに反論したり、ついには怒り出したりする。

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〇「こだわりが強すぎて課題が進捗しない」
メカニズムと発達心理、学習理論による対策

【説明】

「それを言ったらおしまい」というような、人を傷つけてしまう言葉を平気で言う人がいます。例えば、「その服、変だよ」「似合わない」などと、「大きなお世話」と言い返したくなることを言ってしまったりします。あるいは、「人の過失に自分が関わる必要はない」などと、「筋を通すべきだ」とでもいうのか、ある種の「正義感」から述べていたりします。先生が過去に言ったことを記憶していて、鋭く矛盾を突いてきたりすることもあります。揚げ足取りのようで不快な気持ちにさせてしまうこともあります。

ASDの特性のひとつに「コミュニケーションの障害」がありますが、上記のような事例はその現れのひとつと言えるでしょう。そのような特性のある人たちはある種の「パターン思考」をしているのだと捉えられます。その人なりの服装規定や行動規範のパターンがあり、その枠組から外れてしまうことを許容できないのかもしれません。

それらのパターンがその人の中で固定していて、それが正しいと思っているので、自分の言葉に相手が傷ついたり怒ったりしても、「相手の方が間違っている」としか考えられなかったりします。「認知の固さ」と言うこともできるでしょう。本人はいいアドバイスをしているつもりだったりします。

また、相手の考えや気持ちを想像する能力(「心の理論」と呼びます)の発達に「でこぼこ」があるために、自分の言葉が相手にどのようなインパクトを与えるのかを想像することが難しいことがあります。人から見ると「自分の見方(パターン)に固執して、相手の立場に立つことができない人」と映ります。

大人でもこのような傾向のある人によく出会うことがあります。子どものうちから周囲が気をつけて対処することによって、将来、コミュニケーション上の大きな失敗をすることから守ってあげられるとよいと思います。

それではどのような対処をすればよいのでしょうか。 内容によっては、つい、叱りたくなりますね。特に人を傷つけてしまうような場合です。でも本人には悪気はなく、自分が正しいと信じていることをそのまま言っているだけなので、叱っても納得はされず、改善には結びつきにくいのです。感情的にならず、論理的に理詰めで説明する必要があります。(それはときに難しいことではありますが、理詰めで考えることを繰り返していくと、自身の思考としてそれが出来る様になり、対人関係が改善します)

一般的には次のような対処が考えられます。 まず、どのような「思考パターン」をもっているのかを周囲の側で想像・推測し、それを言語化します。次に、場合により、そのように言われると傷つく・悲しい・不快な気持ちになるということを伝えます。そして、代わりになるような行動を提案します。このとき、なるべく「Iメッセージ(自分はこう感じる・こう思う、という表現)」で言うとスムーズです。これに対して「Youメッセージ(あなたはこうだ、という表現)」であると、決めつけになってしまって反発を招きます。最後に「どう思う?」と付け加えるとよいでしょう。

「そうか、この服が私に似合わないと思うのね。そんなこと言われると悲しいな。自分では気に入っているの。あなたの趣味ではなかったかもしれないけれど、変だなんて、言わないでくれると嬉しい。どう思う?」(あんたの服の方が変、などと言い返さない。)

「たしかに忘れ物は本人の責任だね。でも誰にでもうっかりしてしまうことはあるものだよ。完璧な人なんていないんだし、困ったときには助け合うのが友だちだと思うよ。できる範囲で構わないから、貸してあげてくれると嬉しい。どう思う?」(不親切だ、などと批判しない。また、それでも拒否されたら、「そうか、わかった」といったん引き下がります。)

「さっき、あの服が似合っていない、って言っていたけど、多分、そう言われて傷ついていたと思うよ。人の服装はそれぞれの趣味で自由だよ。そういうことは言わないほうがいいと思うけど、どう思う?」(おだやかに、相手の気持ちに気づかせる。)

社会に出るときのことを念頭に、思いやりのある「パターン」をインプットできるとよいと思います。少し時間がかかるかもしれませんが、気長に見守っていきましょう。

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〇 生徒の対策

  • ①時々先生に、にこっとしてみよう(笑)。

  • ②いいアドバイスはコピーしよう。

  • ③相手が怒っていたら、一回「すみません」と、機械的に言いましょう。

  • ④人の感じ方はさまざまです。自分の言葉が人を傷つけてしまう可能性がいつでもあります。人を傷つける言葉を言わないように努力しましょう。

  • ⑤世の中にはいろいろな考え方があります。自分の考えだけが正しいとは限りません。相手は自分とは違う考え方をもっているかもしれないという可能性がいつでもあります。いつもこのことを意識するようにしましょう。


〇 講師のサポート

  • ①怒ることに生産性はありません。エネルギーが消耗するので怒るのはやめましょう。

  • ②生徒のSOSがチャンスです。

  • ③原理原則→だから生徒のすべきことは○○です、の2段階でアドバイスします。その際、最初に結論をまず言ってからにしてください。

  • ④上記、「パターンの確認、(気持ちの表現、)別の行動の提案、どう思う?」の対処を試みてください。


〇 役に立ちそうなリソース

  • ソーシャルスキルトレーニング(SST):
  • 「こんなとき、人はどういう気持ちになるか」「どんなふうに言えばいいか」などを考えさせるワークブックやかるた遊びのようなものがいくつも出ていますので、よさそうなものを試してみると良いかもしれません。

     

  • <動画>ASD(アスペルガー症候群)でこだわりが強すぎて勉強が前に進まない場合の対策法

  •  

  • <動画> 【発達障害】ASD(アスペルガー症候群)で得意科目と苦手科目の差が大きい時の対策法

  •  

  • <動画>ASD(自閉スペクトラム症)で国語の物語文の読み取りが苦手な場合の対策法

  •  

  • 薄井晶著 『方法別冊』(不登校・学習障害・発達障害・WISC ver.)ファストブック(2022)

〇学習障害がある方が学べる個別指導の専門塾

WISCの結果を生かして特性を考慮しながら受験指導

SMKの完全個別ゼミ

調布ゼミ
完全個別 調布ゼミ
〒182-0026 東京都調布市小島町1丁目4−6 三田調布シティハウス 107
TEL:042-426-7295
京王線調布駅から徒歩1分。
甲州街道の小島町交差点すぐそば。
塾の前に自転車がとめられます。

 

世田谷ゼミ
完全個別 世田谷ゼミ
〒154-0017 東京都世田谷区世田谷3丁目2−2 メルシー世田谷 103
TEL: 03-6804-4076
東急世田谷線世田谷駅、下高井戸方面下車、歩いてすぐ。
通りを渡って美容院のある角を曲がってください。看板が見えます。
*駐輪場完備
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〇 生徒・ご父兄の声

自分のペースで安心して勉強できました

S.M. さん
合格校: 日本大学生物資源科学部

調布ゼミは、中一の時に母から集団塾よりも
個別対面の方が向いているのではないかと
勧められたことがきっかけで通い始めました。
体調が悪化し、通学も難しくなっていたなかでも
柔軟に対応してくださり、
安心して焦らずに自分のペースで勉強を
継続することができました。
今年、無事に受験して第一志望の大学に合格できたのは、
他でもない先生のお陰です。
ありがとうございました。

 


子どものモチベーションもサポート

A.H. さんご父兄
C.H. 様
合格校: 東京未来大学

子どもは、小学6年生のときに、身体的なストレス反応から、
学校に通うことが難しくなりました。
中学二年生から通信制の学校で勉強を始めましたが、
高校一年生で、小学校高学年の漢字が定着していないと分かり、
家から通える調布ゼミに入塾しました。
担当していただいた先生ととても相性が良かったこともあり、
先生とは、時々、子どもの体調や様子も共有させていただきました。

学校の成績をあげることではなく、
子供のモチベーションを維持することを重視したいとお願いし、
漢検と英検の勉強のサポートを中心にしていただきました。
漢検は6級から、英検は3級からスタートして、
最終的に、漢検・英検とも準2級まで合格。
大学進学にも挑戦して、AO入試(総合型選抜)で、
合格することができました。
本当にありがとうございました。


生徒の個性に寄り添って指導していただけました

A.S.君 ご父兄
H.S. 様
合格校:サレジオ中学

落ち着きがなく注意散漫で、学校では先生やお友達から認められることの少ない息子でも、
のびのびと楽しく過ごせる場所で学ばせたいという願いから、
中学受験にチャレンジすることにしました。
しかし、大手の某進学塾へ行ってみると、集団授業ということもあってか、
息子は全力で通塾を拒んだのです。
そのため、通信教育で勉強してみたのですが、限界を感じていたところ、
たまたまみつけたのが調布ゼミでした。
完全個別で、生徒の個性に寄り添って指導いただける調布ゼミを、
息子はとても気に入ったようです。特に、受験前の9月から1月にかけての5か月間、
自分の意志で毎日休むことなく通い、驚きました。

調布ゼミでの中学受験勉強を通し、
息子は自分の得意なことや将来のことを具体的に考えたり、
目標を持ち、応援してくれる大人を信じて最後まで自分なりに精一杯努力することなど、
大切なことを多く学んだと思います。
これまで𠮟られてばかりで自己肯定感が低いところを心配していた息子にとって、
自分で決めた志望校合格は大きな飛躍になったに違いありません。

中学生になったら、あこがれのパイプオルガン部で活動しながら、
航空エンジニアになりたいという夢に向かって勉強を頑張るそうです。
そのために、中学生になっても高校生になっても
調布ゼミに通いたいと希望しておりますので、
引き続きよろしくお願い申し上げます。


<監修>
愛知東邦大学 人間健康学部 教授 松尾香弥子
SMK 薄井晶