発達障害がある(といわれている)ASD 方法④ 

こだわりが強すぎて
課題が進捗しない

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〇 こんな傾向はありませんか?
(こういうところが見られたらあてはまるかもしれません)

  • 自分のやり方にこだわって進まない。今できないことを後回しにできない。ストップしてしまう。

  • 一旦できあがった手順などを変更することに強い抵抗がある。

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〇「こだわりが強すぎて課題が進捗しない」
メカニズムと発達心理、学習理論による対策

【説明】

「自分のやり方」とは、問題をどう解くかのやり方の場合もありますが、むしろ、宿題のやり方、進め方とか、勉強の方法などの面でよく見られます。自分の進め方みたいなのがあって、こうした方がいいのに、というこちらのアドバイスをなかなか受け入れてくれません。また、自分の手に負えない問題が処理できないと、後回しにして前に進むということができず、それ以降宿題を全くやっていなかったりします。

たとえば、「123×40」を筆算するとき、0をかける部分に「000」を書く必要はないのですが、そう指摘しても頑なに抵抗し、書かないではいられません。また、いつも漢字の書き取りの宿題を最初にしているところ、たまたまその日は漢字の書き取りの宿題がないと、どうしても調子が出ずに、他の宿題を進めることができなかったりします。

 

ASDの特性に「同一性保持の傾向」があります。現状にこだわる傾向があり、変化に抵抗しようとします。一旦定まった手順には、たとえ不合理でも頑なに固執し、臨機応変な対応が困難です。また、人によって立場や状況が違うものですが、一人ひとりの相手の立場に立って柔軟に対応することも苦手です。

たとえで考えてみましょう。突然、何らかの力で、南の島のどこかの部族の真っ只中に放り込まれた、と想像してみてください。一群の男性が近づいてきます。鋭い眼光で、手に持った槍をこちらに向けています。そこへ、優しくも強そうな老婆が立ちはだかって、何か強い調子でことばを発すると、男性たちはみなどこかへ行ってしまいました。老婆は子どもたちに指図して、温かい食事を振る舞ってくれました。もしそのような恐ろしい経験があれば、その後はその島では老婆のそばから一瞬だって離れたくない、と思うのではないでしょうか。新しいことに取り組むリスクをとるよりも、既知のものや人、やり方に固執してしまうようになります。

発達障害に見られる「こだわり」にも似たところがあり、「新奇な刺激に対する恐怖が背景にある」と捉えると、理解しやすくなります。発達障害による「感覚の特異性」のために、何らかの感覚を苦痛なまでに強く感じすぎてしまい、そのため新奇な事柄に対して恐怖に似た思いを抱いているのかもしれません。一方、自分の慣れた方法であれば、どのような感覚が起こるかはもう知っているのですから、恐怖を覚えることはないわけです。苦痛からの逃避として「こだわり」に逃げているのであり、そうせざるを得ない事情がある、ということなのかもしれません。

はたから見れば奇妙でもあり、ときにわがままにも映りますが、むりやり止めさせようとするとパニックになったり、新たなトラウマを形成してしまったりしかねません。老婆のように温かい態度で接する方が良策です。またそのような寛容さを示すことでまわりの人々・生徒たちにもよい影響を与え、受容的な雰囲気が形成されていくものと思います。

アドバイスは、生徒の主張をよく聞いてあげて、こうこうこうだからこうすると効果的、と理詰めで説明してあげます。ただし強制はせず、気長に接します。また、生徒がSOSを求めてきたときはチャンスです。後回しにできない、やれるところまでやる、というような融通が利きにくいので、最初から「全部できなくても良い」というスタンスで指導します。行き詰まっているところを一緒にやってあげて解決すると必ずその後進めようとしてくれますので、まめに行き詰まりを解消してあげる必要もあります。定着を目指すのであれば、解決したその時に、まったく同じ問題をもう一度その場で解いてもらうのが最も効果的です。

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〇 生徒の対策

  • ①100パーセントでなくていいです。70パーセントを目指しましょう。

  • ②いいアドバイスはコピーしよう。

  • ③得意なことはどんどん進もう。

  • ④無理はしなくていいから、できる範囲で新しいことにチャレンジしていこう。


〇 講師のサポート

  • ①アドバイスは、論理的に。最初に原理原則を述べて、だから~した方がよい、とアドバイス。

  • ②生徒のSOSを積極的に拾ってあげてください。

  • ③得意な分野はどんどん進めてください。

  • ④強制はせず、気長に接しましょう。

  • ⑤次にどんな展開があるか、あらかじめ概要を伝えてあげるとスムーズにいくことがあります。


〇 役に立ちそうなリソース

  • 「頭の切り替え」を必要とするゲーム:
  • たとえば「もぐらたたき」のゲームでは、もぐらが出てくる場所があっちこっちにあり、そのどこかから出てきたモグラを叩くというゲームです。一箇所にこだわらず、頭を切り替える必要があります。ゲームセンターだけでなく、スマホゲームにも類似のものが多数でています。「頭の体操」などのキーワードで、合いそうなゲームを探してみるとよいかもしれません。

     

  • <動画>ASD(自閉スペクトラム症)で授業中にみんなと同じようにできない場合の対策法

  •  

  • <動画> 【発達障害】ASD(アスペルガー症候群)で得意科目と苦手科目の差が大きい時の対策法

  •  

  • <動画>ASD(アスペルガー症候群)で学校の先生を怒らせてしまう場合の対策法

  •  

  • 薄井晶著 『方法別冊』(不登校・学習障害・発達障害・WISC ver.)ファストブック(2022)

〇学習障害がある方が学べる個別指導の専門塾

WISCの結果を生かして特性を考慮しながら受験指導

SMKの完全個別ゼミ

調布ゼミ
完全個別 調布ゼミ
〒182-0026 東京都調布市小島町1丁目4−6 三田調布シティハウス 107
TEL:042-426-7295
京王線調布駅から徒歩1分。
甲州街道の小島町交差点すぐそば。
塾の前に自転車がとめられます。

 

世田谷ゼミ
完全個別 世田谷ゼミ
〒154-0017 東京都世田谷区世田谷3丁目2−2 メルシー世田谷 103
TEL: 03-6804-4076
東急世田谷線世田谷駅、下高井戸方面下車、歩いてすぐ。
通りを渡って美容院のある角を曲がってください。看板が見えます。
*駐輪場完備
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〇 生徒・ご父兄の声

自分のペースで安心して勉強できました

S.M. さん
合格校: 日本大学生物資源科学部

調布ゼミは、中一の時に母から集団塾よりも
個別対面の方が向いているのではないかと
勧められたことがきっかけで通い始めました。
体調が悪化し、通学も難しくなっていたなかでも
柔軟に対応してくださり、
安心して焦らずに自分のペースで勉強を
継続することができました。
今年、無事に受験して第一志望の大学に合格できたのは、
他でもない先生のお陰です。
ありがとうございました。

 


子どものモチベーションもサポート

A.H. さんご父兄
C.H. 様
合格校: 東京未来大学

子どもは、小学6年生のときに、身体的なストレス反応から、
学校に通うことが難しくなりました。
中学二年生から通信制の学校で勉強を始めましたが、
高校一年生で、小学校高学年の漢字が定着していないと分かり、
家から通える調布ゼミに入塾しました。
担当していただいた先生ととても相性が良かったこともあり、
先生とは、時々、子どもの体調や様子も共有させていただきました。

学校の成績をあげることではなく、
子供のモチベーションを維持することを重視したいとお願いし、
漢検と英検の勉強のサポートを中心にしていただきました。
漢検は6級から、英検は3級からスタートして、
最終的に、漢検・英検とも準2級まで合格。
大学進学にも挑戦して、AO入試(総合型選抜)で、
合格することができました。
本当にありがとうございました。


生徒の個性に寄り添って指導していただけました

A.S.君 ご父兄
H.S. 様
合格校:サレジオ中学

落ち着きがなく注意散漫で、学校では先生やお友達から認められることの少ない息子でも、
のびのびと楽しく過ごせる場所で学ばせたいという願いから、
中学受験にチャレンジすることにしました。
しかし、大手の某進学塾へ行ってみると、集団授業ということもあってか、
息子は全力で通塾を拒んだのです。
そのため、通信教育で勉強してみたのですが、限界を感じていたところ、
たまたまみつけたのが調布ゼミでした。
完全個別で、生徒の個性に寄り添って指導いただける調布ゼミを、
息子はとても気に入ったようです。特に、受験前の9月から1月にかけての5か月間、
自分の意志で毎日休むことなく通い、驚きました。

調布ゼミでの中学受験勉強を通し、
息子は自分の得意なことや将来のことを具体的に考えたり、
目標を持ち、応援してくれる大人を信じて最後まで自分なりに精一杯努力することなど、
大切なことを多く学んだと思います。
これまで𠮟られてばかりで自己肯定感が低いところを心配していた息子にとって、
自分で決めた志望校合格は大きな飛躍になったに違いありません。

中学生になったら、あこがれのパイプオルガン部で活動しながら、
航空エンジニアになりたいという夢に向かって勉強を頑張るそうです。
そのために、中学生になっても高校生になっても
調布ゼミに通いたいと希望しておりますので、
引き続きよろしくお願い申し上げます。


<監修>
愛知東邦大学 人間健康学部 教授 松尾香弥子
SMK 薄井晶