宿題が期日までに提出できない

〇 こんな傾向はありませんか？
（こういうところが見られたらあてはまるかもしれません）

• 提出物が期日までに仕上がらなかったり、提出物の存在自体を忘れたりしてしまう。 これが原因で学校の成績や進級の問題になったりします。

〇「宿題が期日までに提出できない」メカニズムと発達心理、学習理論による対策

【説明】

誰でも、何か非常に大きな出来事が起こったような場合、大切な期日をうっかり忘れてしまうことがあるものです。たとえば、身内が大きな事故に巻き込まれた、という連絡があったとしたらどうでしょう。心配で、無事を確認できるまでは、その他のことはすっかり忘れてしまったとしても不思議はありません。

しかしながら、客観的に見てそのような出来事があるとは思われないにも関わらず、日常的に期日を忘れてしまうようであると、そこには何らかの「問題」が起こっていることが考えられます。

学生ならば、宿題を忘れても先生に怒られたり減点されたりするぐらいですみますが、大人になって、仕事で納期が決められているのにいつも仕上がらないようだと、仕事が来なくなり、失職することにもなりかねません。社会人として生きていけるように、学生のうちに期日を守る行動パターンを身につける必要があります。

 

ここにはいくつかの理由が重なっている可能性があります。

（１）いわゆる「発達障害」のため、神経の発達に「でこぼこ」があって、宿題があることを覚えておくための記憶力が弱いのかもしれません。

（２）発達障害のうちADHDタイプの特性に「不注意」や「衝動性」があります。宿題のような面倒なことに注意を向けているのは苦痛なので、もっと楽しいことに注意が向いてしまい、つい、その楽しいことの方を優先して行ってしまうために、宿題のことは忘れてしまうのかもしれません。

（３）客観的には「非常に大きな出来事」が起こっているようには見えなくても、本人にとっては重大なことが起こっていて、そのため、普通ならば覚えておけることも覚えていられないのかもしれません。たとえば、学校でいじめにあっていたり、家で兄弟差別を受けていたりして、いつもそのことで頭がいっぱいである、といったことです。

 

いずれにしても、本人を叱っても解決にはなりません。忘れ物をしない行動パターンを身につけられるよう、周囲がサポートしていく必要があります。

もし上の（３）に書いたようなストレスが本人にあるのであれば、取り除いてあげる配慮をしていく必要があります。（１）や（２）のような、覚えておくことに問題がある場合には、必ずメモをとること、カレンダーに期日を書き込んで常時確認するようにすること、スマホなどを活用してリマインド（思い出させること）の仕組みを作ること、身につくまでは周囲の人がリマインドしてあげることなどを根気強く続けていきましょう。

就職したら時間は厳守です。時間に融通の利く働き方ができるところ（フレックス制やテレワーク制などを採用しているところ）を探すのも一案です。とはいえ、時間のしばりがまったくない仕事というのはほとんどないと言っていいでしょう。自営であればかなり融通がききますが、これも取引先がありますので、時間にきちんとしている方を事務方に採用して助けていただくとよいでしょう。

〇 生徒の対策

• ①メモをして、いつも目にするところに置いておく。カレンダーに期限を書いておく。課題を日割り、週割りにして、出来たら〇をつける。

• ②スマホのリマインド機能を活用する

• ③信頼できる身近な人にリマインドしてくれるようにお願いする。いずれは自分でできるように、なっていきましょう。

〇 講師のサポート

• ①指示はメモを作って渡す。

• ②夏休みの宿題のワークブックなど、一定の期間を要する課題の場合には、無理のないスケジュールを作成し、進み具合を管理する。日割り、週割りをしてあげる。計画通りに進まないことを前提に、あらかじめ先々の変更を織り込んでおきます。

• ③時間厳守の感覚を養うために、「何時から何時まで」をきっちりする。時間が来れば今やっていることを（途中でも）すぐに終了する。

• ④できなくても叱らない。叱っても効果はありません。心理的に逆効果です。

〇 役に立ちそうなリソース

 

• スマホの活用

カレンダーアプリではイベント（できごと）の前にアラームを設定できます。５分前、１日前、１週間前など自由に複数設定できるので活用しましょう。

 

＜動画＞【発達障害 勉強】ADHDで勉強のうっかりミスが多い場合の対策法


 

＜動画＞ 【発達障害 勉強】ADHDで勉強の反復練習が苦手な場合の対策法


 

＜動画＞ADHDで遅刻や忘れ物が多い場合の対策法【注意欠陥多動性障害】


 

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